Aug. 30 - Sep. 3, 2007 Yokohama Japan
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資料室 > ワールドコン資料 > WSFS規約

WSFS規約


:以下の規約は有志により、WSFSの公開している2000-2001: WSFS Constitution(以下「オリジナル」)を日本語訳したものです。
この訳は、ワールドコン日本誘致委員会がオリジナルをこの訳の通りに解釈している、という事ではありません。
規約の正式版はオリジナルであり、この訳は参考です。疑問のある場合はオリジナルを参照していただき、間違っている箇所がありましたらご指摘ください。
この訳について、誤りのご指摘や改善のためのご意見等を歓迎いたします。info@=NOSPAM=nippon2007.orgへメールをお寄せ下さい。
なお、メールソフトの宛先欄(To:)に表示されるメールアドレスの「=NOSPAM=」の文字を削除してから送信して下さい。(事務局の受け取るゴミメールを削減するためです)
お手数をお掛けして申し訳ありませんが、よろしく御協力をお願いたします。

  1. World Science Fiction Society のホームページ → http://www.worldcon.org/
  2. 規約インデックスページWSFS Standing Rulesへの直接リンク → http://www.worldcon.org/bm/rules.html

凡例:[]でくくられているのは訳注で、原則として原語を表記しています。



世界空想科学小説協会規約, 2000年9月


第1条 - 名称、目的、メンバーシップ、および組織

1.1項:名称

この組織の名称を世界空想科学小説協会[World Science Fiction Society]とする。以下、文中ではWSFSもしくは協会とする。

1.2項:目的

WSFSは任意団体の文学協会として以下の事を行なう。

(1) 年次のヒューゴー賞(SFの功績に対する賞)の受賞者を選出する。
(2) 年次の世界SF大会[World Science Fiction Convention](以下、文中ではワールドコン[Worldcon]とする)の開催地と実行委員会を選出する。
(3) これらのワールドコンに助力を行なう。
(4) 不定期の北米SF大会[North American Science Fiction Convention](以下、文中ではNASFiCとする)の開催地と実行委員会を選出する。
(5) 上記の目的を行なう為に必要または付随的な活動。

1.3項:制限

協会の純益は、協会の目的を促進する場合を除き、その一部でもメンバー、役員、あるいは個人に対して支払ってはならない。協会は立法行為に影響を及ぼそうとすること、または公職のためのいかなる政治運動も行ってはならない。もしこのWSFSが存続不能となった場合、資産はその時点のワールドコン実行委員会もしくは管轄権を持つ適切な裁判所によって、慈善を目的として配分されなければならない。この項でいう協会はマークプロテクション委員会及び協会のその他のすべての機関に適用されるが、大会の誘致委員会や実行委員会には適用されない。

1.4項:メンバーシップ

WSFSのメンバーシッブ[membership]は、現在のワールドコン実行委員会へ参加費を払った人から構成されねばならない。

1.5項:メンバーシップの種類

1.5.1:各ワールドコンは、アテンディング[attending]とサポーティング[supporting]のメンバーシップを提示[offer]せねばならない。

1.5.2:サポーティングメンバーの権利は、委員会が一般に配布する全ての出版物を受け取る権利を含む。

1.5.3:アテンディングメンバーの権利は、サポーティングメンバーの権利に加えて、上述のワールドコン及びそこで開かれるWSFSビジネスミーティングに一般参加する権利を含む。

1.5.4:必要な料金を払ってサイトセレクション[site-selection]投票をしたWSFSメンバーは選出されたワールドコンのサポーティングメンバーとしなければならない。

1.5.5:投票者はワールドコンの選出から九十日以内に、その実行委員会の定めた追加料金を払って、選出されたワールドコンのアテンディングメンバーシップへコンバート[convert]する権利を有する。この料金はサイトセレクション費の2倍を超えてはならず、かつサイトセレクション費と新規のアテンディングメンバーの料金の差を超えてはならない。

1.5.6:ワールドコン実行委員会は、そのワールドコンの90日前より早くない閉め切り日までは、サイトセレクション料金の125%を超える、またはビジネスミーティングで承認を受けねばならないような高額ではない料金でサポーティングメンバーになる人に備えねばならない。

1.5.7:この他のメンバーシップと料金については、実行委員会の自由裁量とする。

1.6項:権限

ワールドコン実行委員会は、WSFSではなく自らの名前で活動しなくてはならず、この規約中でWSFSに留保されたものを除き、ワールドコンに関わる全ての事柄の権限と責任を持たねばならない。

1.7項:マークプロテクション委員会

1.7.1:WSFSのマークプロテクション委員会[Mark Protection Committee]は、WSFSもしくはその権限下で利用されるマークの登録と保護の責任を有するべく、設けられなければならない。

1.7.2:マークプロテクション委員会は、前回のワールドコン以降の、収入と支出の状況を含んだ活動報告書を、各ワールドコンのビジネスミーティングにおいて提出しなければならない。

1.7.3:マークプロテクション委員会は各ワールドコンにおいてビジネスミーティング終了後に会議を開催しなければならない。なお、開催時間と場所についてはビジネスミーティングにおいて告知される。

1.7.4:マークプロテクション委員会は自身の役員の決定と選択を行わなければならない。

1.8項:マークプロテクション委員会のメンバーシップ

1.8.1:マークプロテクション委員会は以下から構成されなければならない:

(1) 選定済みの将来の各ワールドコン実行委員会及び直近の過去2回の各ワールドコン実行委員会の便宜を計るために任命された1名のメンバー
(2) 選定済みの将来の各NASFiC実行委員会及び過去2年間に開催された各NASFiCの実行委員会の便宜を計るために任命された1名のメンバー
(3) ビジネスミーティングで毎年3名ずつ選出される任期が3年の、9人のメンバー

1.8.2:メンバーの選出は、1.8.5項で定義する北米の各単一地域からのは3名以下とすべきである。各選出されたメンバーは、そのメンバーが選出された時点で居住する地域を代表しなければならない。

1.8.3:新たに選出されたメンバーは、ビジネスミーティング終了時に、その年に任期が満了する選出あるいは任命メンバーのポストと任務を引き継ぐ。

1.8.4:もしも委員会の選出メンバーに欠員が生じた場合は、そのポジションの残りの任期をビジネスミーティングによって補充することができ、それまでの期間は委員会によって暫定的に補充する。

1.8.5:代表の公平な選出のために、北米を以下の3地域に分割するものとする:

(1) 西部[Western]:カリフォルニア半島、ニューメキシコ、コロラド、ワイオミング、モンタナ、サスカチュアン及び、ハワイ、アラスカ、ユーコン、ノースウェストテリトリーズを含む、より西方の全ての州[state and province]及び準州[territory]。
(2) 中央[Central]:中央アメリカ、カリブ海諸島、(上記を除く)メキシコ、及び西部地域と東部地域の間にある全ての州及び準州。
(3) 東部[Eastern]:フロリダ、ジョージア、サウスカロライナ、ノースカロライナ、ヴァージニア、ウエストヴァージニア、ペンシルバニア、ニューヨーク、ケベック及び、コロンビア特別区、フランス領ミクロン諸島、バミューダ諸島、バハマを含む、より東方の全ての州及び準州。


第2条 ワールドコン実行委員会の権限と義務

2.1項:義務

各ワールドコン実行委員会は、本規約に従って、以下の事項を履行しなければならない。

(1) ヒューゴー賞の運営
(2) 将来のワールドコン或いはNASFiCのサイトセレクションの運営、及び
(3) WSFSビジネスミーティングの開催。

2.2項:マーク

ワールドコン実行委員会及びNASFiC実行委員会はその全ての出版物に対して以下の注記を入れなければならない:
"World Science Fiction Society", "WSFS", "World Science Fiction Convention", "Worldcon", "NASFiC", and "Hugo Award" are service marks of the World Science Fiction Society, an unincorporated literary society.
["世界空想科学小説協会"、"WSFS"、"世界SF大会"、"ワールドコン"、"NASFiC"、及び "ヒューゴー賞"は任意団体の文学協会である世界空想科学小説協会のサービスマークである。]

2.3項:正式代表者

全ての選択された将来のワールドコン実行委員会は、彼らの主催するワールドコンに関する質問の答弁のため、ビジネスミーティングでの正式代表者を任命しなければならない。

2.4項:規則の配布

現在のワールドコン実行委員会はWSFS規約を、提案され承認されているが未批准の変更点についての説明、及び決定された規則とともに出版しなければならない。実行委員会は上記ドキュメントを、ワールドコン開催の3から9ヶ月前に一度、すべてのWSFSメンバーに配布しなければならない。さらに、ワールドコンに参加したすべてのWSFSメンバーに受付時点でそれらを配布しなければならない。

2.5項:立候補[bid]プレゼンテーション

全てのワールドコン実行委員会は、誠意ある誘致委員会[bidding commitee]に対して、次年以降に選択されるためのプレゼンテーションを行う適切な機会を与えなければならない。

2.6項:実行不可能となった実行委員会

あらかじめ3年分の開催地を前もって選択することで、少なくとも3つの選択された現在及び将来のワールドコン実行委員会が常に存在する。もしも、上記実行委員会の何れかがその義務の実行が不可能となったとき、他の選択された現在及び将来のワールドコン実行委員会であって上記義務の実行が不可能となった実行委員会の開催地により近いものは、十分な時間がある場合はビジネスミーティングにおける相談あるいはWSFSの郵便投票により、あるいは十分な時間がない場合はその実行委員会の決断により、取るべき行動を決定しなければならない。

2.7項:メンバーシップの引渡し

管理実行委員会は、ワールドコン開催から90日以内に、何らかの法的制限がある場合を除いて、全てのワールドコン参加者の名前及び住所に関して所有する最良の情報を、次のワールドコン実行委員会に引き渡さなければならない。

2.8項:財務状況の公開

すべてのWSFSメンバーは合理的な条件下で、現在のワールドコン実行委員会、選択された将来のワールドコン実行委員会及び直近2つの開催されたワールドコン実行委員会の、財務状況の記録及び勘定帳簿を調査する権利を有する。

2.9項:財務報告

2.9.1:全ての選択された将来のワールドコン実行委員会は、所得および費用の計算書を含んだ年に一度の会計報告を、委員会の選択後に開催される全てのWSFSビジネスミーティングに提出しなければならない。

2.9.2:全てのワールドコン実行委員会は、ワールドコン開催後の次のビジネスミーティングにおいて、余剰金/欠損金の累計に関する報告書を提出しなければならない。

2.9.3:全てのワールドコン実行委員会は、会計後に残っている余剰資金を、現在のワールドコンとWSFS全体の利益のために譲渡して処理しなければならない。

2.9.4:余剰金が発生した場合には、ワールドコン実行委員会あるいは、その余剰金の監督と支払いのために設立された代替組織的実体は、その余剰金全額が出費されるか、当初の余剰金と同額の出費がなされるまで、各年のビジネスミーティングにおいて、その余剰金の支払いに関する毎年の財務報告をファイルしなければならない。


第3条 - ヒューゴー賞

3.1項:序文

ヒューゴー賞の決定は、本条に従わなければならない。

3.2項:一般

3.2.1:他に規定されない限り、ヒューゴー賞は、前の暦年の間に、SFあるいはファンタジーの分野で初めて発表された作品に与えられる。

3.2.2:初めに英語以外の言語で発表された作品は、最初に英訳が発行された年に適格を有する。各作品は、一旦それが英語で発表された場合、適格を有するのは一度のみとなる。

3.2.3:出版物の日付、あるいは日付のある定期刊行物のカバー日付は、著作権がある日付に優先する。

3.2.4:シリーズとして構成された作品は個々に作品としての適格を持つが、シリーズ全体としては適格を持たない。しかしながら、複数のパートからなる作品は最終パート発行の年に適格を持つことができる。

3.2.5:小説[written fiction]カテゴリーにおいて、作者は作品の特定のバージョンを、そのバージョンが作者の作品を代表したものではないと感じた場合、選考から取り下げることができる。

3.2.6:ワールドコン実行委員会は、必要と思われる場合は、任意の小説を、その小説の長さが新たなカテゴリーの制限に5000語[word]、あるいは20%の範囲内で満たない場合を条件として、より適切なカテゴリーに変更することができる。

3.2.7:ワールドコン実行委員会は賞に関するすべての事項に関して責任を持たなければならない。

3.3項:カテゴリー

3.3.1:最優秀長編[Best Novel]。4万語以上のSFまたはファンタジー小説。

3.3.2:最優秀中長編[Best Novella:ノヴェラ]。1万7500語以上〜4万語以下のSFまたはファンタジー小説。

3.3.3:最優秀中編[Best Novelette:ノヴェレット]。7500語以上〜1万7500語以下のSFまたはファンタジー小説。

3.3.4:最優秀短編[Best Short Story]。7500語未満のSFまたはファンタジー小説。

3.3.5:最優秀関連図書[Best Related Book]。前暦年に初めて発表されたSF、ファンタジー、ファンダムに関連した作品。これはノンフィクション作品もしくはフィクション作品であっても、ノンフィクション的な側面を評価すべきである。

3.3.6:最優秀劇化上演[Best Dramatic Presentation]。前暦年に初めて現在の形式で公開された、メディアを問わず劇化されたSF、ファンタジーまたは関連する題材。

3.3.7:最優秀編集者[Best Professional Editor]。前暦年に主にSFまたはファンタジーに専念している職業出版の編集者。職業出版は平均一万部以上の出版を行っていることとする。

3.3.8:最優秀プロアーティスト[Best Professional Artist]。前暦年にSFまたはファンタジー分野の職業出版に作品を発表したイラストレーター。

3.3.9:最優秀セミプロジン[Best Semiprozine]。前暦年終了時までに4回以上の発行を行ない、前暦年に少なくとも1回発行された、一般でも入手可能な主にSFまたはファンタジーに専念している非職業出版であって、以下の条件を少なくとも2つ満たす物:

(1)一回の発行部数が少なくとも平均1000冊以上である。
(2)投稿者やスタッフに現物の雑誌以外の報酬を払っている。
(3)特定の個人の収入の少なくとも半分を提供している。
(4)少なくとも全体の15%が商業宣伝に使用されている。
(5)自らセミプロジンと公称している。

3.3.10:最優秀ファンジン[Best Fanzine]。前暦年終了時までに4回以上の発行を行ない、前暦年に少なくとも1回発行された、一般でも入手可能な主にSFまたはファンタジーに専念している非職業出版であって、セミプロジンに当てはまらない物。

3.3.11:最優秀ファンライター[Best Fan Writer]。前暦年に、ファンジン、セミプロジン、または一般でも入手可能な電子メディアに作品を発表した人物。

3.3.12:最優秀ファンアーティスト[Best Fan Artist]。前暦年にセミプロジン、ファンジン、またその他の公衆用展示で作品を公開したアーティストもしくは漫画家。その年のヒューゴー賞の最終の投票用紙のプロアーティスト部門に名前がある人物は、その年のファンアーティスト部門には適格ではない。

3.3.13:追加の部門。現在のワールドコン実行委員会は、常設の部門と同じノミネートと投票のある、最大一つの特別な部門を作ることが出来る。ワールドコン実行委員会はこの部門を作らねばならない訳ではなく、ワールドコン実行委員会によるこの行動は例外的な状況のみで行うべきであり、あるワールドコン実行委員会によって作成された特別部門は次回以降の委員会を拘束してはならない。本節に則って作られた賞は、ヒューゴー賞とみなされねばならない。

3.4項:適格の延長

ヒューゴー賞のノミネートの可能性を有する候補が、初めて公表または公開された年に極めて限られた流通しか受けられなかった場合、WSFSのビジネスミーティングの調停において、四分の三の票が得られれば、適格期間を一年延長することが出来る。

3.5項:名前とデザイン

ヒューゴー賞のトロフィーは、ジャック・マクナイトとベン・ジェイスンによるロケットシップを標準デザインとする。各ワールドコン実行委員会は基礎のデザインを、独自に行なうことが出来る。名前(ヒューゴー賞)とトロフィーのデザインを、他の賞で用いてはならない。

3.6項:受賞者無し["No Award"]

特定の部門のノミネート数や最終得票数が著しく不足し、投票者の関心が低いと、各ワールドコン実行委員会が判断した場合、その年のヒューゴー賞のその部門を中止にする事が出来る。

3.7項:ノミネート

3.7.1:ワールドコン実行委員会は、最終投票用のノミネート作品を選出するために投票調査を行なわなければならない。運営または直前に開催されたワールドコンのいずれかのメンバーは、開催暦年の1月31日の時点で、各部門で5候補までを優劣をつけずにノミネートすることが出来る。

3.7.2:委員会は、ノミネートを選出する為の投票用紙にWSFS規約の第3条の条文を明記しなけれならない。

3.7.3:ノミネートは、ヒューゴー賞と最優秀新人賞であるジョン・W・キャンベル賞[John W. Campbell Award]のみを募集しなくてはならない。

3.8項:ノミネートの計算

3.8.1:以下に言及されるものを除いて、賞の最終投票用紙はそれぞれの部門の最もノミネートを集めた5候補のリストを載せなければならない。もし同着の5位が存在する場合には、同着の候補全てをリストに載せねばならない。

3.8.2:ワールドコン実行委員会は、候補の適格性の判断と、一つの候補が複数の異なる部門にノミネートされている場合には適切な部門の判断をしなくてはならない。

3.8.3:「受賞者無し」というノミネートがあった場合は、これを無視しなくてはならない。

3.8.4:同一の候補が一つのノミネート用紙の一つの部門に複数回に記載されている場合、その部門への一つだけのノミネートとして集計しなくてはならない。

3.8.5:もしそのカテゴリーの全ノミネート数の5%に満たないものがあった場合、これを賞の最終投票用紙に記載してはならないが、同着を含む、上位の3候補者は必ずリストに載せねばならない。

3.9項:通知と受諾

ワールドコン実行委員会は、候補に、死亡している場合や正常な判断や認識が出来ない場合には相続人、指名されたもしくは法的後見人に対して、各部門の情報を公開する前に最善の努力をもってこれを通知しなくてはならない。その時、それぞれの候補に対し、ノミネートを受諾するか、辞退するかを尋ねなければならない。もし、候補が辞退した場合には、最終投票用紙に候補の記載をしてはならない。

3.10項:投票

3.10.1:賞の最終投票は郵送で、WSFSのメンバーのみに送られた用紙で行われなければならない。賞の最終投票用紙には、名前、署名、住所、及びメンバー番号を投票者が書き込むための欄が無くてはならない。

3.10.2:賞の最終投票用紙には、ヒューゴー賞と最優秀新人賞であるジョン・W・キャンベル賞に関するリストのみを記載するものとする。

3.10.3:ヒューゴー賞の最終投票用紙の各部門のリストには「受賞者無し」を記載しなくてはならない。

3.10.4:実行委員会は、最終投票の用紙上もしくは同封する事で、フィクション部門にノミネートされた各作品が発表された一冊以上の書籍、アンソロジー、雑誌を明示(出版社名、雑誌の発行日も含む)しなければならない。

3.10.5:投票者は、各部門の候補に対して優先順位を明示しなければならない。

3.11項:開票

3.11.1:投票者の最上位の選択が各部門毎に集計されねばならない。もし過半数を取るものがなかった場合は、最初の集計で最終位になったものを除外しその候補を最上位の選択としている票の2番目の選択を用いて再配分しなければならない。このやり方を過半数を取るものがでるまで繰り返さねばならない。

3.11.2:特定の部門の有効投票数(「受賞者無し」を最上位の選択としたものは除く)が賞の最終投票受理数の25%未満であった場合には、「受賞者無し」としなければならない。

3.11.3:仮の受賞者が決定したら、「受賞者無し」が受賞者でない限り、以下の追加テストを行わねばならない。もし、仮の受賞者よりも「受賞者無し」を優先とした票の数が、「受賞者無し」よりも仮の受賞者を優先とした票の数を上回る場合は、「受賞者無し」が選択の勝者と宣言されねばならない。

3.11.4:ワールドコン実行委員会は、完全な投票の集計結果を、一位、二位、...位のためのすべての予備集計を含めて、ワールドコン終了後90日以内に公表しなくてはならない。同期間内にノミネートの投票の集計を、各部門毎の少なくとも15位までの得票者とその部門の少なくとも5%以上のノミネート票を獲得したそれ以外の候補者を含めて公表しなくてはならない。

3.12項:除外

現ワールドコン実行委員会メンバー及びその関係者の出版物は、受賞対象から除外しなくてはならない。但し、委員会が本条に基づく権限を小委員会[Subcommittee]に委託し、その決定をワールドコン実行委員会が覆すことができない場合は、この除外は委託された小委員会のメンバーにのみ適用するものとする。

3.13項:レトロヒューゴー賞

ヒューゴー賞が選出されなかったワールドコンの、50年、75年又は100年後に開催されるワールドコンは、以前のワールドコンのヒューゴー賞をノミネートし、選出してもよい。選出の手順は現在のヒューゴー賞の選出方法によること。充分な数のノミネートがない分野においては、選出しなくてもよい。一度レトロヒューゴー賞が与えられたワールドコンについては、以後そのワールドコンのレトロヒューゴー賞を他のワールドコンが選出することは出来ないものとする。


第4条 - 将来のワールドコンの選出

4.1項:投票

4.1.1:WSFSは開催中のワールドコンから3年後の大会を開催するための場所と実行委員会を選ばなくてはならない。

4.1.2:投票は、書面により郵便又は開催中の大会投票で行われ、3.11項に示す方法で集計すること。

4.1.3:開催中のワールドコンの委員会は投票を管理し、事前参加費の徴収を行わねばならず、その基金をコンベンションが終了する迄に投票で決した委員会に引き渡さねばならない。

4.1.4:サイトセレクション投票の結果は、ビジネスミーティングの席上と開催地に選ばれた大会の最初又は2番目のプログレスレポートで、郵便投票と会場投票が区別できるように公表されなければならない。

4.2項:投票者の資格

4.2.1:投票はWSFSのメンバーで開催地を選択中のワールドコンの少なくともサポーティングメンバーシップを購入した者に限られる。

4.2.2:サポーティングメンバーシップの額は現ワールドコン委員会と票の締め切りまでに応募した全部の誘致委員会の満場一致によって決定されねばならない。もし協議が成立しない場合は、額の標準[default]は、直前3回のワールドコンの開催地選択のUSドルの額のメディアン[median](中央値)としなくてはならない。

4.3項:非自然人

法人、会、その他の人間ではない又は人工的な実体は「何処でも良い」["No Preference"]のみの投票ができる。大会のゲストとしてのメンバーシップ ("Guset of" membership)では「何処でも良い」のみの投票ができる。大会の運営者によって承認された譲渡によって、独立な自然人に譲渡されたメンバーシップでの投票では選択をすることができる。

4.4項: 投票用紙

サイトセレクションの投票用紙には、名前、署名、住所、及びメンバーシップ番号を投票者が書き込むための欄が無くてはならない。各サイトセレクションの投票用紙には、「上記以外」["None of the Above"]と「何処でも良い」と書き込み投票[write-in vote]の選択肢が、各立候補者の後に、それと同程度に目立つようにあらねばならない。サポーティングメンバーシップの額は全てのサイトセレクションの投票用紙に表示されねばならない。

4.5項:開票

4.5.1:票から名前と住所を切り離してから、ワールドコンに於いてのみ票を集計しなくてはならず、各誘致委員会からは2人づつの立会人が立ち会いを認められる。各誘致委員会は全ての投票者の名前と住所の記録を作成してもよい。

4.5.2:最上位または唯一「何処でも良い」を選択している票はサイトセレクションでは無視されねばならない。第二位より下に「何処でも良い」を選択している票は、より上位に選択している候補が優先集計[preferential tallying]で除外された時点で無視されねばならない。

4.5.3:「上記以外」は集計の際候補地の一つとして扱い、3.11項における「受賞者なし」と同等のあつかいとする。

4.5.4:もし「上記以外」が勝ち残った場合は、開催地の決定の責務はその大会のビジネスミーティングに引き渡される。もしビジネスミーティングが大会が終わるまでに開催地を決定できない場合は翌年のワールドコンの実行委員会が過度に遅れる事なく開催地を決定しなくてはならない。

4.5.5:ビジネスミーティングまたはワールドコン実行委員会によって決定された開催地と実行委員会は、場所の除外やその他の資格について何も制約を受けないものとする。

4.5.6:全ての票は、たとえ管理委員会が不適格であると判断した候補に投票されている場合も、まず最上位の選択を集計すること。最初の集計で、もし適格な候補が過半数に達することができなかった場合は、二度目に集計する時に不適格な候補への票はその票の最初の適格な候補に再配分されねばならず、集計は通常の優先投票の方法に則ったやり方で行わなねばならない。

4.6項:候補者の資格

4.6.1:サイトセレクションの適格者となる為に、誘致委員会は選挙を管理する実行委員会へ次の文書を提出しなければならない。

(1) 立候補の宣言書
(2) 仮契約書、協定書等の、開催地施設との取り決めがあることを十分に証明する文書
(3) ワールドコン実行委員会の運営規則であって、一人または複数の実行委員長の任期、条件、選定及び交代の手続きの記載を含むもの。

4.6.2:誘致委員会はこれらの文書の書面をWSFSメンバーの要請に対して提供しなければならない。

4.6.3:候補者が投票用紙に印刷されるためには、誘致委員会は投票が行われるコンベンションの公式開催日の180日前までにこれらの文書を提出しなければならない。

4.6.4:書き込み投票の適格者となるためには、誘致委員会はこれらの文書を投票が終わるまでに提出しなくてはならない。

4.6.5:もしいずれの候補者もこの条件に満たない場合は、開催地の決定は「上記以外」が勝ち残った場合と同じとする。

4.7項:開催地の適格性

開催地はそれが選択される場所から500マイルまたは800kmの範囲内の場合は不適格とされねばならない。

4.8項:NASFiC

もし選定されたワールドコン開催地が北アメリカでない場合、その年に北アメリカでNASFiCを開催しなくてはならない。NASFiCの開催地選定は下記または本規約の他の場所の事項を除いてワールドコンの開催地選定と同様の手続きでなければならない。

4.8.1:投票は書面により、もし翌年にNASFiCがない場合はその年のワールドコンの管理で、もし翌年にNASFiCがある場合はそのNASFiCの管理で、郵便又は管理する大会での投票で行われねばならず、管理する大会のメンバーのみが投票することを許される。

4.8.2:NASFiCの実行委員会はワールドコンの開催日と重ならないように出来る限りの努力をしなくてはならない。

4.8.3:提案されたNASFiCのサポーティングメンバーシップの額は管理する実行委員会と票の締め切りまでに応募した全部の誘致委員会の満場一致によって決定されねばならない。

4.8.4:もし「上記以外」が勝ち残った場合や、適格な立候補者が無い場合は、NASFiCは開催されず、NASFiCのサイトセレクションのために集められたサポーティングメンバーシップ費はその管理する大会から過度の遅延無く返却されること。


第5条 - ビジネスミーティングの権限

5.1項:WSFSビジネスミーティング

5.1.1:WSFSのビジネスミーティングは、各ワールドコンで告知された時刻に実施されなければならない。

5.1.2:現在のワールドコン実行委員会は、各ミーティングの議長とスタッフを提供しなければならない。

5.1.3:ビジネスミーティングの管理やそれに関する活動の常設規則[Standing Rules]の制定は、ビジネスミーティングの多数決により可決もしくは修正を行うこと出来る。これら新たな規則の制定や改正は、ワールドコンの終了時から効力を発揮し、この規則は全体の三分の二の投票で停止することが出来る。

5.1.4:ミーティングはWSFS規約、常設規則、現在の実行委員会によって事前に発行されるその他の規則(この規則は常設規則と同じ方法でビジネスミーティングによって停止できる)、WSFSの伝統や慣例(決議や効力の継続している裁定を含む)、最新版の「Robert's Rules of Order, Newly Revised」に則して(優先度の逆順で)進行しなければならない。

5.1.5:ビジネスミーティングの定足数は協会のメンバー12人の直接参加としなくてはならない。

5.2項:委員会の継続期間

この規約が規定する他の場合を除いて、ビジネスミーティングが制定した委員会や役職は、継続の決議がなされていない場合、次回ビジネスミーティングの終了時に消滅するものとする。

5.3項:規約の送付

それぞれのワールドコンの終了から二ヶ月以内に、ビジネスミーティングのスタッフは、次のワールドコン実行委員会に対して、規約と常設規則の全ての変更点、批准すべき全ての項目を記した文書を送付しなければならない。


第6条 - 規約

6.1項:運営

WSFSの業務の運営は、本規約と批准された全ての本規約に対する改正とビジネスミーティングが自身の管理のために採択すべき常設規則によって決定されなければない。

6.2項:自然人

本規約で生じる全ての事案に対して、本規約が特別に規定した場合を除いては、自然人のみが議案の提出、ノミネート、投票を行うことが出来る。何人もどのような案件や選挙にも一票より多い投票をすることは出来ない。これは他の適格な投票者に票を託すことでの投票の禁止と解釈してはならない。

6.3項:改正

WSFS規約は、いずれかのビジネスミーティングで動議を過半数によって可決することで改正することが出来るが、次回のワールドコンのビジネスミーティングでその動議を過半数によって批准される事が必要である。

6.4項:施行

WSFS規約の変更に関しては、その変更が批准されたワールドコンの終了時から効力を持つこととする。ただし、この規約の変更により、特別な経費や債務を負うことになる場合は、既に決定されているワールドコン実行委員会には適用しないものとする。


以上の世界空想科学小説協会規約は正確で、間違いなく、完全だとここに証明された。
議長 Donald E. Eastlake III
緊急秘書ホログラム Cheryl Morgan
2000年ビジネスミーティング





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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