誰も、いないぞ……?!
8月29日朝9時、私はコンノゼ会場の一つ、シビックオーディトリアムのメインロビーで立ち尽くしていた。
えーん、場所間違ったかなあ。どこ行きゃいいんだろ? アメリカからのメールでは、この時間と場所でいいはずなんだけどなあ。やだなー不安。とりあえずロビーや廊下を一巡りしてみる。客席や控え室のドアはみんな鍵が掛かっている。
裏口あたりに参加者札を首から下げたコンノゼ関係者とおぼしき人たちがたむろしていたので、「イベントオフィスのボランティアスタッフはどこに行けばいいのですか」と必死で聞く。「よく分かんないなあ。俺達はここで機材届くの待ってるんだけど、それもまだ来なくてさー、俺達も自分がどーしていいか分かんないんだ」らしき返答。ああ英語出来ない。不安不安。
一方で『ワールドコンでも機材の手配が行き違うとか、直前までドタバタするのは日本大会と一緒なのかも』との認識がさくっと芽生える。
「とにかくイベントオフィス関係者はここにいないし、建物の中で待ちなよ」と言われ、また建物の中に入ってウロウロする。
今度はロビーに人がいた。金髪で眼つきの鋭いおじさん。先ほどと同じ質問を繰り返す。すると彼は自分はスタッフの一人だと言って、2階の部屋の鍵を開けてくれた。
「ここがオフィスにする部屋。そのうちみんな来るよ」というので、その部屋でしばらく彼と何とか雑談。その後4〜5人がやってきて、何とかあいさつと自己紹介をこなす。かなり緊張した。何せ初めてのアメリカ旅行で初めてのワールドコンで、その上、(私の思い込みでは)「日本誘致委員会の代表」のような立場を背負わなければならなかったのである。この時ばかりは私をこの場所に売り飛ばした(?)某K氏を恨んでしまった。
ここで颯爽と入ってくる人物。イベントマネジャーのジョン・ブレイカー氏。彼がてきぱき指示すると物事がどんどん進むので驚いた。よいチームワークだなあ。
私は、1日ほぼ3時間ずつスタッフと一緒にイベントオフィスに詰めて、庶務のお姉さんのようなことをするのが仕事だった。「どこそこに/誰それに何かを持っていく/取りに行く/調べに行く/伝言する」等で、一つ一つはゲームのミッションのようで面白かった。
マスカレードのプログラムを折り折りする作業(これはどたん場作業だった。でも何とか間に合うものだ)では、入れ替わり立ち替わり人が手伝い(スタッフがあちこち電話をかけて人を集めていた)に来て、いろいろ雑談をしていく。聞いていると、こういう場の会話の中身って、日本もアメリカも変わらないなー、と実感する。
サンドウィッチのネタは何が一番おいしいかについて盛り上がったと思えば、「○○のカップルはうまくいってないみたいだけど、あの二人は云々」系の話題などなど。
雰囲気はすごく和気あいあいとしていて、ボランティアは楽しくやらなきゃね! と教えられたようだった。
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