Aug. 30 - Sep. 3, 2007 Yokohama Japan
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■フィラデルフィア報告

井上民恵
[2001 フィルコン]

書き手の感性や公開当時の世情などを尊重し、以下の文章はその内容を改変せずに掲載しております。
そのため、一部に不適切な表現やリンク切れの可能性がございますが、あらかじめご了承ください。


 今回のフィラデルフィアで私たちがしなければならなかったのはまず、プレサポーティングの受付、WSFSの主催するビジネスミーティングへの出席、そして企画の一つである立候補地のプレゼンテーションに出ることです。

 プレゼンテーションではフィラデルフィアで開催のための投票がなされるボストンとシャーロッテに多くの時間がさかれ、まだまだ遠い先の話になる日本はほんの少しチェアマンである井上がつたない英語での短いスピーチと2,3の質疑応答がなされただけでした。

 井上の英語にはかなり問題があったものの、日本が本気で立候補するつもりであることが認知されたことは間違いないようです。


 プレサポーティングの受付は専用デスクを会場内に出すとともに、昨年同様ホテルのスイーツで2日間開かれたビッティングパーティー上で行いました。

 会場内で受付場所に割り当てられた場所は「ディーラーズ」「アートショー」そして各種展示が併せて行われている大きなホールの一角で、そこには開催が決まった場所、開催を立候補している場所のプレサポートデスクが並んでいました。

 すべてのメンバーがそろった金曜日の朝から受付を開始したのですが、まだ荷物を開けきらない内からプレサポートをしたいと言う方が入れ替わり立ち替わりあらわれます。


 今回もプレサポートしてくれた方にはオリジナル手ぬぐいをプレゼントしたのですが、そちらの包装もまだでしたので、机の後ろではサポートしてくれた人のために総出で手ぬぐいを折っているありさま。

 ある程度手ぬぐいの数が確保できたところで、シフトを決め、デスクにつく人間以外はメンバーの一人の部屋で手ぬぐいを折り、包装紙を巻く事にしました。

 この包装紙はのし紙にみたててあり、裏面には手ぬぐいの説明が英文で書いてあります。 日本で包装して行くとかさばるので現地で折ることにしたのですが、受付早々こんなに人が来るとはうれしい大誤算でした。

 手ぬぐいも完成し、受付も一段落したところで、パーティーの準備にかかります。


 菓子類や日本酒などは持ちこんでいますが、ビールやソフトドリンクは現地調達です。

 ここで買い出し班は大きな問題に遭遇することになりました。ビールを売っていないのです。

 近くの大手スーパーやドラッグストア、コンビニにいたるまで酒類は置いてありません。

 困った買い出し班がポリスマンに相談したところ、なんと酒場に入って行き、「こいつらにビールを売ってやってくれ。」と交渉までしてくれました。ところがこれが結構いいお値段。

 アメリカでビールというと安売りなら3ドルほどで6本変えてしまうのに、2倍以上の金額です。でもせっかくおまわりさんが交渉してくれたのに買わないというわけにも行かず、そこで少々調達することにしました。


 その後さんざん歩き回った後探しあてた酒屋でも結局同じ様な値段でした。

 一方、その間会場の受付ではプレサポートする人にまじり、パーティーの場所と時間を確認しに来る人も多くなっていました。その上、昨年のパーティーが楽しかったので、差し入れをしたいと大きなチョコレートとキャンディの包みを頂いたりしていました。

 これは昨年よりいいパーティーにしなくてはねと、メンバーも気合いが入ります。


 さて、パーティーの会場は2間続きのスイーツルームでベットルームをバックヤードにし、会場との境のドアを開け放してそこがバーカウンターになります。

 バックヤードのバスルームはタオルや日本から持っていったウレタンシートなどで養生し、臨時の冷蔵庫に変身させ、バーカウンターの下もしっかりとシートを引き込み絨毯が汚れないようにしておきます。

 会場内には打ち掛けを始め日本らしい物を飾り、今年のテーマである春=櫻の雰囲気を出すように努力したました。


 壁には日本から持って行った文庫のカバーとその英文の題名を貼り、その下には日本人アーティストの画集も展示したました。これらは日本のSF事情の紹介だけでなく、会話の手助けもしてくれるはずです。

 また、昨年プレサポートの受付に手間取り、会場が混雑した事を教訓にし、受付デスクは入り口に近い方に置くことにしました。

 少々遅れて始めたパーティーは、昨年にます大盛況で、日本から持ち込んだ日本酒が心細くなるくらいでした。

 プレサポートの受付も順調です。

 今回は大した混乱もなく、無事一日目のパーティーは終了しました。


 翌日も会場での受付と夜はパーティーがあります。

 昨日のパーティーで2日目の分の日本酒も半分出してしまったので、どこかで日本酒を調達しなくてはなりません。昨日ビールを買ったところに日本酒はありませんでした。ところが灯台もと暗し。なんとホテルの至近にリカーショップがあり、無事日本酒を手に入れることができました。

 2日目のパーティーでは、足りなくなったコップを買いに夜の町に行ってくれたり、用意した手ぬぐいがなくなってしまったので、昨日寄付していただいた日本大会の手ぬぐいを使わせて頂いたりと、いろんな方の協力が本当に心にしみました。


 おかげさまで1000人以上の方にパーティーを楽しんで頂くことができました。

 プレサポーティングも会期中に300人近くになり、今年はあまりプレサポートする人はいないだろうと言う予想が良い方向にはずれてくれました。

 最後のビジネスミーティングでは他の企画で出席できなかったチェアマン井上にかわり、村谷、八谷両氏が2007年の開催を立候補する旨を宣言することができ、これが議事録に載るおおやけの席での立候補表明になりました。


 今年のワールドコンはサンノゼ、西海岸で開催されますので、皆様もよろしければぜひワールドコンに参加して下さい。

 そして私達の活動と現地の反応を肌で感じていただければと思います。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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