Aug. 30 - Sep. 3, 2007 Yokohama Japan
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■貧乏なのにワールドコンにいく方法

貧窮家 白土晴一
[2000 チャイコン]

書き手の感性や公開当時の世情などを尊重し、以下の文章はその内容を改変せずに掲載しております。
そのため、一部に不適切な表現やリンク切れの可能性がございますが、あらかじめご了承ください。



貧乏である。

ここ十数年、貧乏を続けている。

しかし、ワールドコンに参加する為にシカゴに行かねばならない。

最初の海外旅行でシカゴ?ERとアンタッチャブル、シカゴ大学で原爆研究・・・・・、そんなイメージしかない。でも、ワールドコンに行かねばならない。

そう言えば、パスポートもないし、そもそも英語も話せない。それでも、ワールドコンに行かねばならない。

つまり、そういった使命感であったのだ。

とりあえず、先立つものを得るためにお盆の坊さんアルバイトをする。お盆期間中につき、報酬が数倍になるため一日五万、三日で十五万円を手にする。これで、なんとかと言う感じであるが、仕事先と親が参万円を餞別で呉れたので、合計で十八万円となった。

ホテル代は同室の林田さんが一括して払うとの事なので、予備費を多少入れて五万円を抜いておくことにする。これで十三万円、これで全てを賄わなければならない。

まずは航空運賃であるが、ここで我が愚弟(向こうに言わせれば愚兄)に登場して貰う。彼はカナダでプロのスノウボーダーをして行ったり着たりしていたので、この手の安い航空券の入手方法を熟知している。

電話をかける。


「もしもし、兄だけど、なるべく安くシカゴに行きたいんだけど?」

「何じゃ、突然? 安い券?」

「そう、なるべく安くメリケンにいきたいのだよ」

「そりゃあ、池袋のW旅行に行けよ」

「そこは一応、正規の券なのか?」

「当たり前だ。HISの子会社だよ」

「なぜに、HISの子会社が安いのだ?」

「電話してみれば分かるけど、最初の対応が英語だよ。つまり、国内の外国人を主に相手している会社で幾らか安いんだよ。無論、言えば日本人でも売ってくれる」

「なんじゃ、それ! 日本人に隠れて、外人を優遇しておるのか! 許せん、詐欺だ、横暴だ!」


とは言え、安いので、W旅行の詐欺と横暴を利用することにする。

直接、池袋に行き、

「一番安いシカゴ行きください」

というと、エア・カナダでバンクーバーで乗り継ぎでシカゴに行くのが七万強で一番安いとの事、掛け捨て保険等も含めて八万円程度を出費する。

「がははは、たった一人、始めての海外旅行、しかもトランジットとはいえ、カナダにもいけるのだ」

と笑ってみたが、やはり不安でもある。なんせバンクーバーで飛行機待ちが五、六時間もなるのだから。

ただ思ったよりは面倒もなく、意外に飛行機はスムーズに進んだ。税関や入国審査も気合の英語でなんとか乗り切れた。

そしてシカゴ到着。ここから予算を切り詰めるために地下鉄で市内に向う筈であったが、既に夜、犯罪都市シカゴという恐怖に負け、乗合のタクシー十五ドルとチップ一ドルでホテルに向うことにする。

ワールドコンの参加費二百ドルはTCで払い終え、あとは何処まで失費を食い止めるかという自己の耐久という問題になった。ここまでで持ち金は日本円で三万円強となる 


翌日、ホテルの朝食で三十ドルを取られ、これはホテル外で食事をせねば予算的に持たんと判断。

十ドルくらいのモーニング・メニューの店か近くの食料品店のセルフ・デリカテッセンのサンドイッチ(五ドル程度)を利用することにする。

昼食と夕食もホテルのカフェで売られているサンドイッチ(五ドル程度)を利用、最悪に空腹のときはワールドコン名物のルームパーティーに入り込み、栄養分を補給する事で凌いだ。

いささかみっともないが、背に腹は返られない。

唯一の外食もメキシコ料理を選択し、たいした失費は避けることにした。

飲み物もホテル据付の無料ミネラル・ウォーターを飲んで誤魔化した。

この食費の切り詰めで多少余裕がでたので、シカゴ・フィールド博物館行きとメジャー・リーグの観戦もひねり出すことが可能になった。

したがって、ワールドコン名物のディーラーズ・ルームも見るだけ、アート・ショーも見るだけ、なにも買うことはしなかった(クーー、欲しいペーパーバックがあったのだ。愛書狂の私にはこれが一番キツイ)。


お土産に関しては、キャッシュ・カード(私に発行するとは、VISAも落ちたもんである。)で支払い来月回しにする方法(大体2万円くらいだった)で乗り切った。

自分の買い物はほとんどしなかったので、ワールドコンのプログラムブックが唯一のシカゴ記念となった。

まああ、金がなくてもワールドコンをウロウロしているだけで面白い。仲良くなったアメリカ人がジュースを奢ってくれるなど、なにかと援助もあり、餓えて倒れると言うこともなかった。

まあ二、三日喰わなくても死ぬこたあない。

帰りの乗合タクシーに乗った頃には、財布の中には二十ドルしかなかった。

運賃とチップを払うと三ドルしか残らない。

飛行機でこの三ドルをシカゴの記念に取っておこう等と考えたが、貧乏の虫が体に湧き成田でさっそく換金し自販機でお茶を買って飲んでしまった。これで金はお仕舞い(小銭が僅かに残り)。

まあ、ナセばナルで十八万円でワールドコンに行き、シカゴで遊べたのだから上出来だ。


そこで、この旅行での教訓

  1. 飛行時間さえ気にしなければ、飛行運賃は安くなる。ただし、腰が痛くなる。
  2. 手間と英語に躊躇しなければ、アメリカ国内の交通費は安くなる。ただ安全も多少犠牲にすればの話であるが・・・・・・。
  3. 食費がネックである。旅行者の食事ではなく、アメリカ人向け食料品店で済ませば安く上がる。ただし、あやしい食品で腹を下す可能性あり。(アメリカ人は平気らしいが・・・・)
  4. なるべく旅行の話をしない。すれば、土産を買わなければならないから。極秘で出国、極秘で帰国が理想。
  5. 二、三日、衣食が足りなくても死なない。
  6. 人の善意には甘えよう。
  7. 高校時代やった、東北野宿旅行よりも楽だった。

こんな感じなら、皆さんもワールドコンにいけるのではないでしょうか?

ただ体力が必要かな・・・・・。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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